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weekly news column 01.06.25
破格の ADSL プロバイダ Yahoo BB・24時間接続で月額 2830円

2001年 6月20日、Yahoo Japan のウェッブサイトで Yahoo BB(Broad Band) という低価格 ASDL サービスを 6月20日より予約開始し、すでに 20万もの予約を受け付けているという。

Yahoo BB の最大の特徴は、ダイヤルアップ、 プロバイダ契約、ADSL モデムのレンタルを すべて含めて、24時間常時接続で 月額 2830円という低価格だ。 (契約によっては最低990円まで可能) さらに、NTT への基本使用料も 187〜2062円まで 抑えることができる。 ADSL モデムも含めた初期費用は、3800円であるからやり直しも効く。 (工事費は30分 8000円と高いが自分でほぼできるらしい)

回線速度は、現在の ADSL で平均的な 1.5MB よりも 速い 8MB を提供する。この速度は、 東京めたりっく通信社を傘下に置くことや、 NTT局舎間をギガビットの回線で接続することや、 IPトランジット社の国際回線(Biglobe などに採用されている) を活用していくことが裏付けている。

収入源は、プロバイダ料金だけではない。 Yahoo BB のポータルサイトでは、コンテンツ配信や決済代行を行う。 コンテンツは、SOFTBANK と協力関係にある 85社が配信を予定している。 主なものでは、朝日新聞などの新聞社、テレビ東京などの放送局、 講談社などの出版社、コナミなどのゲーム開発会社がある。

この低価格は、NTTだけでなく、他 ADSL事業者、 ISP(プロバイダ)事業者にも影響することは間違いない。 そして、ADSL が本格的に普及することも間違いない。 Yahoo BB の活動は、SONY の Play Station 2 によって DVD メディアが普及したように、 ブロードバンドを生かした新しいメディアに なる可能性を秘めている。 ひと昔さわがれたビデオ・オンデマンド(オンライン・ビデオ配信) が実現する可能性だって十分にある。

しかし、問題は ADSL 特有の通信品質の不安定さだろう。 どの ADSL も最大の通信速度を言っているだけで、 最低限の通信速度がいくつかを保障しているところはない。 NTT 基地局から遠いと、場合によっては、 アナログモデム(56KB)よりも遅くなっているケースがあるという。 更に、これだけの注目を集めると、回線が集中して 通信速度が下がってしまうことも考えられる。 そのため、Yahoo BB はバックボーンの整備を着々と行っている ことをアピールしている。

しかし、Yahoo BB が低価格で ADSL ブロードバンドを 提供して革命的であるとさわぐのは間違いかもしれない。 なぜなら、すでに韓国では普及しているからだ。 韓国のページを見れば、将来のヒントを得られるかもしれない。


weekly news column 01.06.18
国民への情報公開、小泉内閣メールマガジン「らいおんはーと」創刊

2001年 6月14日、首相官邸から小泉内閣メールマガジンの 創刊号が発行された。創刊時には、登録者は100万人を超えた。 これを受けて、民主党のメールマガジンは、5月8日に創刊しており、 鳩山コラムなどを掲載している。 他の政党も、メールマガジンを続々と創刊している。

創刊号は、豪華に、小泉総理、扇大臣、塩川大臣、 特別寄稿として遠山文部科学大臣の記事が書かれていた。 どの記事とも誰が書いたものかすぐに分かる、 とても性格の現れた文章であった。 創刊号は、ほぼ自己紹介であったが、 これから熱い政策を寄せてくれるかどうかによって、 内閣の支持率も大きく変わってくるだろう。 下手なことは書けないだろうが、かといってあたりさわりのない ことばかり書き続けるわけにはいかないところが難しいところだ。

メールマガジンによって自分の生の記事を国民に配信することは、 情報公開と同じ効果があると思う。 情報公開は、その公開した者の経営状態などが、 健全であることを証明し、信頼を獲得する方法である。 内閣のメールマガジンでは、政府の活動を国民に公開して、 国民の支持を得ようとしていると思われるが、 これからどうなっていくか見続ける必要があるだろう。

しかし、これまでの内閣が、国民に支持を得る活動を していなかったわけではない。ニュースや新聞から 得られる官房長官らが発表してきたことがそれにあたるだろう。 しかし、マスコミは、知る権利の担い手になって批判をすることで、 チェック機能として働いているため、多少なりとも情報が歪曲され、 多くの人が政治不信に陥ってしまっている可能性がある。 メールマガジンを使ったのは、支持を得る手段として 最も効果的であろう。あとは、今後の記事の内容である。

ソフトウェアの情報公開といえば、オープンソースであろう。 ソースをオープンにして、多くの人のチェックの目を通すことで、 信頼性のあるプログラムになることも、同じ性質である。 しかし、ソースをオープンにすることだけが信頼性を得られる 方法であろうか。よく考えると、プログラムの信頼性を 獲得する方法は、ソースレビューではなくテストである。 テスト方法やテストプログラムを公開して ユーザにテスト方法を改良してもらう方が、 よっぽど信頼性を得られるのではないだろうか。


weekly news column 01.06.11
タスク指向のユーザインターフェイスに改良された Office XP 発売

2001年 6月 8日、Microsoft は、Office XP の発売を開始した。

Office XP の主な新機能は、次のとおり。

スマートタグは、何か作業を行った直後に小さなボタンが表示される。 ここに、その作業に続けてよく行う作業メニューが表示される。 機能が膨大になりメニューが複雑になった現在のアプリケーション では、便利な機能だろう。 XP(エクスペリエンス、体験による操作の学習、タスク指向)の 思想がここに現れている。

ただ、これと同じ機能を前バージョンの Office では持っていた。 それは、あの邪魔ないるか(エージェント)がライトアイコン (ひらめいた)を表示したときだ。 ライトアイコンをクリックするとナイスなアドバイスが 聞けるのだが、ほとんど役に立ったことがない。 言葉で言われても、どうやればいいか分からなかったし、 1つのことしか言わないから的外れになる可能性が高かった。 エージェントは AI(人工知能)を持っていたというが、 とても学習してるとは思えなかった。 XP では、よく使われる機能をあらかじめスマートタグに 用意しておくことで、エージェントに求められる機能を実現している。 さらに、最近使った機能を優先的に表示することによって 人工知能における学習機能の代わりをしている。 そのため、XP では、エージェントは隠れている。

作業ウィンドウは、クリップボードにコピーした内容、 どのクリップアートを表示するか選択するとき、 書式(フォントや修飾)をどのように設定するか、 といったことを行うウィンドウだ。 前バージョンでは、プロパティ・ モーダル・ダイアログボックスで表示され、文章の上に かぶさるように表示されていたものを、右側の専用の表示領域に まとめただけだ。しかし、編集の対象が隠れないために、 何に対して設定をしているのか分からなくなることがない。
一覧性が文章の理解を助けるといった特性を、 エクスプローラのツリーで表示していることとは反対に、 文章や作業の詳細を作業ウィンドウという専用の領域に 表示することで、詳細の一覧性を持たせ、 また理解を助けている。

Office XP の発売に合わせて、Office XP 用キーボードを発表した。 キーボードの上部には、Word, Excel といったアプリケーション・キーがあり、 キーボードの左には、進む、戻る、カット、コピー、ペースト、 アプリケーション(の切り替え?)のボタンと、 ローラーがある。形状から見ると、右側には置くことができないようで、 右手で操作することができないようだ。

Microsoft のホームページでは、Office XP をバーチャル体験することが できる。ブラウザ上で Office を経験(エクスペリエンス)させよう という試みだ。(要 Flush プラグイン)
これは、もっとも学習効果のある「見真似(みまね、体験)」 させることで、 抽象的な新機能の理解を助けている。

ユーザインターフェイス的には、非常に興味深い進化を見せている。 しかし、本当に使いやすいかどうかは、やはりホンモノを触って 経験しないと分からない。ホームページでバーチャル体験ができるが、 あくまで仮想であるからだ。 別に私は、Microsoft の回し者ではないので、ここで買ってくださいとは 言わない。パソコンショップで体験すれば十分だ。


weekly news column 01.06.04
Web ページも簡単圧縮解凍閲覧、進化した圧縮解凍ツールが発売

2001年 6月 4日、Sage Plaisir 21 で、圧縮解凍ツール Archives Folderizer の シェアウェア版、Archives Folderizer SV が公開された。

Archives Folderizer は、圧縮ファイルをフォルダと同じ操作で扱うことができる ようにするソフト。圧縮ファイルの細かい設定はできないが、ユーザの必要とする 機能を直感的に呼び出すことができるようになっているため、非常に操作性がよい。 フリーウェエア版は、これまで多くの雑誌に掲載されている。

今回は、次の点で機能アップしている。

すべての機能の紹介は書ききれないので、主な機能について紹介していこう。 解凍・インストール・ウィンドウは、単に解凍先のフォルダを選択するのでは なく、ユーザがあらかじめ登録したフォルダを簡単に選択できるようになっている。 たいていのユーザは、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍するフォルダを決めている。 そのユーザの事情を考慮しての機能だ。

そして目玉は、自動オープン機能だ。圧縮ファイルを解凍してできたファイルの 構成を解析して、適当なファイルを自動的に開くものだ。 これまでの圧縮解凍ツールは、圧縮ファイルを開いてその中のファイルを 選択しなければならなかったのだが、自動オープン機能により、 たとえばメールで送られてきた圧縮ワードファイルをすぐに開くことが できるようになる。Internet Explorer 5 以降の完全 HTML ファイル (.htm と .files から成る)を圧縮してまとめれば、 1つのページが1つのファイルになり、扱い易くなる。

今回は、シェアウェア版となっているが、ベクター・シェアレジへの登録を 発売日に行っているため、発売日にすぐにパスワードを入力することが できない。すべての機能が使えるようになるのは、もう少し後だ。 この辺の対応の悪さが気になるが、一部の機能を除いて、無期限で使用 することができるため、一度試してみるといいだろう。