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weekly news column 01.05.28
オープンソース系・技術サイト Slashdot が日本上陸

2001年 5月 27日、技術好きによる技術好きの為の情報交換の場 というキャッチフレーズで、 毎月 3000万のヒット数をカウントする オープンソース系・技術サイト Slashdot の日本語版、 Slashdot Japan が正式オープンを宣言した。

主に、対価を求めない、オープンソースやフリーウェアを 支持する方々が、執筆、投稿しているようだ。 それらしく、Linux や著作権の話題が豊富である。 ニュースも、プログラマーなら興味をそそられるものが 集まっており、なかなか楽しめる。

内容はかなり充実しているようだが、ニュース記事と 掲示板をのぞく資料は、まだ英語のものがほとんどだ。 また、あちこちに「アレゲ」という言葉が使われているが、 どういう意味なのかよくわからない。 さらに、誰が日本語の文章を書いているのかも分からないため、 アンダーグランドな怪しい雰囲気がいっぱいである。

オープンソースやフリーウェアを支持する方々は、 フリーウェアではないソフトについて批評をする人が多い。 批評が多いネガティブな雑誌やホームページを 嫌う人がいるかもしれないが、 Ascii やインプレスなどの、いわゆる表のニュースページと Slashdot Japan のような、いわゆる裏のニュースページの 両方を見ておくと、ニュースの本当の意味が読み取れると思う。 ただ、裏の方が真実のように思えるのが人の心理だろう。 しかし、どちらが正しいかはケースバイケースなので、 どちらか偏らないように注意したいものだ。


weekly news column 01.05.21
カリフォルニア州の電力供給不足・料金の高騰と計画的停電を招く

2001年 5月 15日、アメリカ・カリフォルニア州の公益事業員会で 史上最大の電気料金の値上げを承認した。

このところ、カリフォルニア州では深刻な電力不足に陥っている。 カリフォルニア州といえば、ハイテク企業や新興ベンチャー企業が 集まるシリコンバレーがある州だ。 電力の供給が追いつかなくなったのもうなずける。 特にサーバを 24時間、一定温度で管理する「データセンター」が、 最近のインターネットの普及により、急速に増えていることが、 電力需要の急速な増加を引き起こしているという。

しかし、原因はそれだけではないことがわかってきた。 もう1つの原因は、電力供給の分野に、 アメリカお得意の自由競争原理を取り入れたことによって 起こってしまったという。 電気の供給システムは、簡単に書くと次のような構造になっている。

電力は、生命に関わる「ライフライン」であるので、 州で認められた料金で供給されている。 このうち、発電会社に自由競争原理を取り入れ、電気料金の 値下げが起きることを期待した。 しかし、実際は、電気料金の高騰をもたらしてしまった。 需要と供給で価格が決まる自由競争社会で 急速な需要の拡大が起きてしまったために、 価格が高くなってしまったのだ。

問題は電気料金だけではない。 電力供給会社が州で認められた低い料金しか徴収できないため、 電気料金を受け取ることができなかった発電会社出てきたのだ。 そのため、発電会社は、電力の供給をストップせざるを得なく なったのだ。 そのことが、さらに、深刻な電力不足を引き起こし、 ここ最近のカリフォルニア州では、月に数回の停電が起きている。 そして、不意に停電が起きるのは被害が大きいので、 計画的に停電を行っているという。

停電は、パソコンで作業中のデータを失うだけでなく、 何らかのサービスを提供しているサーバの稼動をストップさせ、 品質の悪いチップを作り出してしまう。 そのように考えるのは、IT 関連の企業だけだ。 停電は、信号機や電車などの交通機関や、 医療器具や生命維持装置などを持つ病院にも影響を起こすため、 命に関わる問題だ。

カリフォルニア州の住人は、無駄な電力を使わないように、 不要な電化製品の電源や生活に必要な電灯を消しながら生活している。 それでも、2ヶ月で$500 もの電気料金がかかるところもある。 一方で、無停電装置、キャンプ用自家発電装置、電力のかからない信号機、 などが売れているという。

ライフライン関係に自由競争原理を取り入れるのが 悪いというわけではない。事実、日本の電気料金は非常に高い。 不当に高い価格を設定しているところ、 需要が大きすぎないところに、適切な自由競争制度を 取り入れなければならないということだ。 (もちろん、それを行うのは、簡単なことではないのだろうが。)


weekly news column 01.05.14
東芝が、新 Libretto を発表、世界最小から方針転換

2001年 5月 7日、東芝は、2年ぶりとなる 新製品 Libretto L1 を発表した。

搭載する CPU は、Transmeta 社の省電力型の Crusoe(600MHz)。 液晶ディスプレイは、1280x600 と従来(Libretto ff)の2倍の情報量。 ハードディスクは、10GB と最近のノートにしては少なめ。 OS は、Windows Me だが、Windows XP ready PC となっている。 本体は、268x167x29(最薄部21mm) となっており、Libretto ff の 221x132x32 と比べて +47, +35, -3 とかなり大きくなっている。 VAIO C1 より大きいため、世界最小の称号は無くなったが、 ライバル機の中で FIVA に続いて薄い。容積は最小。 キーボードは、Dynabook と同じもので、キーピッチに さらに余裕を持たせた。 特徴的だったリブ・ポイントも無くなって、代わりに キーボードの真中にアキュポイントII が備わっている。 外が銀、中が黒を基調としており、 Libretto ff と比べるとややデザイン的には惹かれなくなった。 しかし、値段は、13万円台とかなり安い。

東芝は、Windowsノート、Windows CEのユーザーを対象に 独自調査を行ない、多くのユーザーが自宅と会社あるいは 学校の間を持ち歩いて使用し、その用途としては 電子メールとウェブブラウジング、ワープロ、表計算ソフトと いったビジネスのものがほとんどという結果を得たという。 そして、ユーザーがミニノートに求めるポイントである、 1)バッテリー駆動時間、2)大型キーボード、 3)画面の大型化/高精細化を念頭に新製品を開発したとしている。

このアンケートの結果は妥当といえるだろう。 パソコンをそれ以外に使うことは、あまり考えられないからだ。 しかし、調査を Libretto ユーザに限定しなかったのは、 疑問が残る。このため、一般的な調査結果となり、 Dynabook とのコンセプトの違いが、曖昧になったと思われる。 私が考える、ミニノートに求めるポイントは、 1)小型軽量、2)省電力静音、3)素早いネットワーク接続、 4)画面の高精細化、ではないかと思う。 しかし、これは、PDA に取って代わるのかもしれない。 (現在の PDA では、ホームページはよく見えないのだが。)

画面の大きさとキーボードの大きさが操作性に影響することを 考えると、これからのミニノートに期待するのは、 小ささではなく、「小さな鞄」に入る、 薄さと軽さなのかもしれない (確かに、Dynabook を持ち歩くのはつらい)。 東芝は、Mobile Disk という PCMCIA カードに入る ハードディスクも発売していることもあり、 まだ薄くなる可能性がありそうだ。

なお、発売日は、5月18日。Office XP搭載機は 5月25日。
ちなみに、店においてあるカタログは、東芝ホームページにある HTML 形式のものと全く同じ。


weekly news column 01.05.07
次期 Windows Server の正式名称が Windows2002 に

4月30日、Microsoft は、コードネーム「Whistler」で呼ばれてきた 次世代サーバーOSの名称を「Windows 2002」に決定した。 今回、サーバの名称がWindows 2002に決定したのを受け、 クライアントOSの正式バージョン名は、Windows XP Version 2002となる。

Microsoft によると、Windows 2002 は、 非常に幅広いニーズに応えるものだという。 Windows 2002 は、Windows 2000の次の進化であり、 信頼性、管理のしやすさ、拡張性に加えて、高性能な 64bitハードウェアをサポートするとしている。 ただし、コードベース(おそらく、カーネルと呼ばれる OS の中心部分)は、Windows2000 と同じものを 使っているので、厳密な意味で OS は 進化していないのかもしれない。 その部分は、もう手を加える部分が無いのだろう。

ところで、Ascii24 の記事によると、 Windows XP の『XP』をギリシャ文字として読むと、 発音が『X』は「カイ」、『P』は「ロ」となる。 つまり、『XP』は「カイロ」と読めるわけだ。 「カイロ」(Cairo)とは、かつてMicrosoftが 開発していたNTカーネル搭載の分散オブジェクト指向OSの 開発コード名で、1993年12月に開催された 「Microsoft Professional Developers Conference」 でデモンストレーションが行なわれた。 しかし、分散オブジェクト指向(ファイルシステム)よりも、 インターネットが主流になったため、 日の目を見ることは無かったのだが、 現在 Microsoft は、分散オブジェクトとほぼ同じ機能を 持つ .NET 対応製品を発表していることから、 本当にもじっている可能性もある。

これまで、次期サーバ製品を Whistler Server と 言っていたことを考えると、Windows XP の Home Edition, Professional のように、Windows XP の Server, Advanced Server, Datacenter Server, Embedded とした、Windows XP シリーズに統一しても よさそうなのだが、マーケティングの面から判断して、 サーバとは違いを見せたかったのだろか。 95 と NT の両立のときと同じように 2大 OS という製品構成になった。

または、コンシューマ製品に年号を更新するだけというのは、 ユーザに新鮮味を与えなくなったのだろうか。 それならば、年号をつけることで、 Micsoroft 内部の開発者が、どうしても 2002 年中に 出さなければならない状態にする効果を サーバ製品に持ってきたのだろうか。 .NET をうたっていることもあり、 Micsoroft の開発者の比率がサーバに多くなっている ことが考えられる。

統一性よりも、より効果のある方を取ったのは、 Microsoft らしいといえるかもしれない。

Microsoft によると、Windows2002の発売は、 2001年に発売されるWindows XPの後となり、 2002年になる予定。 ZDNet の記事によると、Windows XP の発売日は、 10月29日になる見込み。

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