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weekly news column 01.01.29
セガ・家庭用ゲーム機・ドリームキャストから撤退

2001年1月24日、一部の報道で、セガがドリームキャスト (家庭用ゲーム機)の生産を中止するとの報道がなされた。 しかし、セガは、これを正式に発表したものではないと否定した。

(追加)後日正式にコメントがあり、自ら DC の価格を大幅に下げた。

競争の激しいゲーム業界において、ドリームキャストを発表した ころからセガの経営は苦しいと言われつづけてきた。 最後の大一番とばかりに、大々的にドリームキャストの宣伝活動& 価格の引き下げをしてきたが、ついに(非公式ながらも)撤退する という報道がされてしまった。 事実、ハード事業は赤字続きで、数々の優良なソフトを 持っていながら、ハードの売上に十分に貢献するまでには 至っていない。

今後、家庭用に関してはソフトウェアを中心に事業を展開していく。 PS2 やゲームボーイ・アドバンスで動くことになるよう、現在交渉中だ。 業務用の筐体は好調のようなので、引き続いて開発していくようだ。 セガの開発スタッフのセンスには素晴らしいものがあるので、 経営を極端に間違えない限り、セガが無くなったり、 どこかに吸収されることはないだろう。 これらの報道を受けて、セガの株は上昇したという。

セガのコメントによると、ドリームキャスト自体は、 アーキテクチャのライセンスになるという。 つまり、セットトップボックス(カラオケ?、カーナビ?)や パソコンに移植されるという。ドリームキャスト・エミュレータが 公式に有料で配布される可能性があるのだ。 ちなみに、この考えでいくと、現在非公式に出まわっている ファミコンなどのエミュレータソフトの開発者が、よく 「ソフトにはライセンスの問題があります」と警告しているが、 エミュレータ自体がやはり違法ということになる。


weekly news column 01.01.22
携帯電話が PC に変わる!? NTTドコモが iアプリを発表

NTTドコモはiモードの新サービスとして、 2000年1月26日より、Java技術をベースにした 「iアプリ」の提供を全国で開始すると発表した。 対応機種は、503i シリーズである。

技術的に見れば、Java は前からある技術なので 大したことではないが、ユーザから見れば、 データを見るだけの昔のインターネットのブラウザから、 どんなアプレットも動く Java 対応のブラウザになった ときと同じ衝撃が、携帯電話のユーザに訪れるのである。 しかし、PC の Java は、現在あまり使われているとは言えないので、 携帯電話でもあまり使われなくなると予測するかもしれない。 しかし、携帯電話は事情が異なる。 それは、唯一のアプリケーションの実行環境だからだ。

Docomo の携帯電話網を通さないとダウンロード できないようだが、i アプリ公式の有料アプレット(月額請求)や、 誰かが作ったフリーのアプレットまで、 自由にダウンロードして、自分の思い通りに アプリケーションを構成することができる。 もはや、携帯電話ではなく、 電話もできる携帯 java マシンだ。 ナムコやタイトーなどのゲームも提供されるので、 ゲーム機であると言うこともできる。

と、素晴らしい可能性を持っているのだが、 残念なことに、プログラムサイズやセキュリティの 厳しい制限があるので、 本格的な PC や PDA の代わりになるのは難しそうだ。

さて、プログラマとして気になるのは、i アプリの 作り方だ。若干セキュリティの関係で仕様が異なるが、 基本的に Java(Java2 Platform Micro Edition) なので、 一般の Java コンパイラで開発が可能だ。 問題なのは、携帯電話のアーキテクチャを 理解することだろう。その件に関しては、 NTT ドコモのサイト (cache) で開発ガイドを提供している。


weekly news column 01.01.15
米マイクロソフトのゲーム機 X-BOX に、いよいよ本格的なデザインを採用

2001年1月6日、米の家電の総合展CES (Consumer Electoronics Show)の基調講演にて、 ビル・ゲイツ氏が Microsoft 開発のゲーム機 Xbox のデザインを発表し、現実味を帯びてきた。

マイクロソフトは 600億ドル近くの資金力と、 開発サポート(DirectX)、 マーケティング力を駆使して、 Atariから任天堂、セガ、プレイステーション、 に続くゲーム機市場の歴史に名を連ねようとしている。

公式ホームページによると、 Xbox の仕様は次の通り。

上記仕様の中には、メモリカード・スロットが無い。 ゲームデータは、ハードディスクに保存できるが、 データを友達にもっていくことは出来ないだろう。 DVD 再生に別売コントローラが必要なのも少し痛いかも。

さて、Xbox は、DirectX ベース API と言っているが、 これは決定的な優位性ではないだろう。Dreamcast が、 WindowsCE カスタムを採用して移植性をうたったが、 それを生かしたところは出現しなかったからだ。 Mac と互換性のある pipin も失敗しているし。

また、上記の凄まじい能力が Xbox により得られるわけだが、 PlayStation2 でさえ、その能力をフルに出しきっている ゲームソフトは数少ない。ハードウェアの演算速度が上がっても、 ゲームの面白さや表現力が上がらなくなっているのだ。 感情に訴えるような表現方法をいかに生み出すか。 クリエイターの芸術性と、新しい表現を生み出すツールが 融合していく必要があるだろう。 そのデータ形式は、各ゲーム機用に出力され、 ゲームアルゴリズム(プログラムソース)は、 各種クロスコンパイラで互換性を持つので、 ゲーム機の違いは、PC のマシンの違いのようなものになり、 圧倒的なトップの存在は今後現れないだろう。

一方、日本では、ポケット・ゲーム機が熱くなってきている。 ゲームボーイ・アドバンス、ワンダースワンカラー、 さらに Palm(PDA) に、ゲーム性の高いソフトが出始めている。 遊ぶのはテレビの前とは限らないのだ。

次世代のゲーム機となるには、1つのテレビ画面で 表現できるものではないのかもしれない。 デジタル・シネマ・システムを応用した映写機を使って、 家庭に簡単にバーチャル・リアリティ・ルームを 設置できるシステムが開発されるだろう。 振り向いて瞬時に見えること、自分の体も見えることが、 3D眼鏡ではできない新たな体感を違和感無く生み出し、 これまでの常識では考えられなかったゲームが作られるだろう。